オウンドメディアサイトで結果が出るポップアップの使い方
あなたは、サイトでポップアップを使用しているでしょうか?もし使用しているなら、ちゃんと最適化できていますか?ポップアップは、リスト獲得などの目的で使用しますが、設定の仕方によってはユーザーに邪魔だと思われたりして、思うような効果が見込めないことがあります。
ポップアップはただ導入するだけじゃダメ
今、設定の仕方によっては、ポップアップは逆効果になってしまうとお伝えしましたが、それは、例えばユーザーがページにランディングした直後にポップアップを表示してしまうとかです。これは、後ほど詳しくご紹介していきますが、ポップアップが邪魔だと思われる原因の中で、最も多く、離脱される可能性が高まります。つまり、リストを獲得したり、商品を購入してもらうチャンスを逃してしまう要因になり得るということです。
そのままオウンドメディアサイトでポップアップを運用していっても、利益は最大化できませんので、この記事を参考に、あなたのビジネスに合った効果的なポップアップを作成していってください。
ポップアップを使用する目的
まずは、ポップアップを使用する目的を明確にしましょう。先ほどは、大きく2つの目的をご紹介しましたが、分解していくと4つほど挙げることができます。
目的#01. メルマガリストを獲得する
ブログ経由で商品を販売していくのであれば、ほぼほぼリストを獲得する必要があります。というか、リストを獲得した方が、ステップメールを使ってお客さんを教育することができるので、高額な商品を販売することができます。
他にも、リストを獲得しておくことで、何回でも連絡を取ることができるようになるので、1回だけでなく、複数回商品を購入してもらえるようにもなりますよね。ちなみに、80:20の法則という言葉がありますが、これは80%の売り上げは、20%のお客さんから上がっているとも言われたりします。つまり、ほとんどの売り上げがリピーターによるものだということです。この状態を作り上げるには、メルマガリストを獲得しておくのが良いんですね。
目的#02. かご落ちを減らす
これまでに、ECサイトで商品を購入しようとして、カートに入れたけど、結局購入せずに、後になってメールが届いたとかっていう経験ないですか?これが、かご落ち対策です。これは、ECサイトを運営している方にとってはとても重要なことです。というのも、ECサイトのかご落ち率の平均は70%にも達するそうです。つまり、カートに商品を追加した10人のうち7人が、購入せずにサイトを後にします。でも、そういった人たちに「A商品の購入がお忘れでないですか?」というようなポップアップを表示することによって、カートに入っている商品の購入を促し、かご落ちを減らすことができます。
目的#03. アップセル・ダウンセル・クロスセル
ポップアップを表示して、アップセルやダウンセル、クロスセル商品をオファーしても良いですね。基本的にアップセル、ダウンセル、クロスセルをする場合はそれ専用のページを作成してそこでオファーします。そのページで、決済リンクを含んだポップアップを表示すれば、商品の購入を促すことができるようになるので、売り上げアップに繋がります。
目的#04. ビジネスの改善
ポップアップは、何もリストを獲得したり、商品を購入してもらうために、別のページに飛ばすだけではありません。アンケートを取ることもできます。なので、記事の改善とか、商品のアンケートなど、ビジネスの改善に繋げることができます。
ポップアップのオプション
次に、ポップアップのオプションをご紹介していきます。このオプションというのは、トリガーのことで、どのタイミングでポップアップを表示するかという設定のことを指します。一口にポップアップといっても、タイプは複数あるので、それらを以下で確認していきましょう。
オプション#01. Exit Intent
これは、ユーザーがサイトを離脱しようとしたのを検知して、そのタイミングでポップアップを表示してくれるというものです。近年は、最も人気なトリガーになっていて、よく使われています。
オプション#02. 時間ベース
時間ベースのトリガーは、ユーザーがサイトにランディングしてから、一定時間たったら表示するという設定になります。どのくらいの時間が経ったら表示するのかは、ツール側で設定が可能です。ただし、ランディング直後に表示する設定にしてしまうと、邪魔に思われて離脱に繋がってしまう可能性があります。時間をベースにする場合は、ユーザーのことを考えながら時間を設定しましょう。
オプション#03. スクロールベース
時間以外にもよく使われるのが、このスクロールベースです。記事を設定した量だけスクロールしたら、ポップアップが表示されるというものになります。これも、時間ベースと同じで、ランディング直後に表示する設定にすると離脱に繋がります。このタイプも注意して使用するようにしてください。最も良いのは、100%スクロールしたら、つまり記事を全部読んだら表示するという設定です。記事が全部読まれたということは、記事を気に入ってくれ、もっとあなたから情報を教えて欲しいという状態になっている可能性が高いです。なので、そのタイミングでポップアップを表示すると、リスト獲得率も高まるというわけですね。
オプション#04. クリックベース
クリックベースのトリガーは、クリックトリガーとかって言われたりしますが、ボタンやバナー、リンクをクリックしてから、ポップアップを表示するというものになります。ちょっと余談になりますが、他のトリガーを使うよりも、クリックトリガーを使った方がリストの獲得率が高まります。ユーザーが自らクリックしてからポップアップが表示され、受動的ではなく、能動的に登録する形になるので、効果的なわけですね。だから、質の高いリストを集めたいなら、クリックトリガーを使用するのも良いと思います。
ポップアップを表示した後にやるべきこと
ポップアップを表示した後、特に、オプトインフォーム形式のポップアップを表示した後についてですが、基本的にはサンキューメッセージを設定していると思います。でも、それだけではありません。
オプション#01. サンキューメッセージを表示する
まずは、オーソドックスなやり方ですね。シンプルに「ご登録ありがとうございました。」というようなメッセージを表示します。
オプション#02. ワンタイムオファーページに飛ばす
2つ目のやり方としては、ワンタイムオファーページに飛ばすというやり方もあります。Eメールアドレスを登録してくれるということは、あなたもしくは、あなたの商品に少なからず興味があるということの表れです。なので、ワンタイムオファーページで、商品をオファーしても購入してくれる可能があります。このワンタイムオファーページでは、それほど高額な商品をオファーするのではなく、基本的には5,000円未満と考えてください。一番多いのは、1,000くらいです。英語圏でよく見るのは、7ドルです。かなり安い商品をオファーしているんですけど、ここで、クレジットカード情報を取得したり、購入というちょっと高い壁を超えてもらうというのが目的で、安い商品をオファーしています。
オプション#03. SNSなどを埋め込む
Eメールアドレスを登録してもらった後に、FacebookページやTwitter、YouTube動画、アンケートを埋め込んだりして、お客さんのエンゲージメントを高めるという方法もあります。特に、SNSでいいねを集めて、認知度を広げたいとか、フォロワーを集めたいという場合に使ってみると良いです。
ポップアップを使用するためのポイント
「良い」ポップアップと、サイトでポップアップを使用する最良の方法を確認したので、正しい軌道を維持するためのヒントを見てみましょう。これらは、ポップアップが訪問者を煩わせず、サイトに利益をもたらすことを確実にするための「することとしないこと」です。
ポイント#01. ランディング直後にポップアップを表示しない
よく、画面のど真ん中に表示させるタイプのポップアップとか、フルスクリーン(画面いっぱいに広がるキャンペーン)形式のものを使って、ランディング直後に表示する設定をしている人がいますが、あれって結構邪魔ですよね。実際に、2013年のデータによると、約70%のユーザーが、無関係なポップアップが邪魔だとアンケートに答えていました。
悪いポップアップを説明するように頼まれたら、おそらく「Webサイトにアクセスするとすぐに表示されるポップアップ」と言うでしょう。スマートマーケティング担当者は、訪問者が別のメッセージを受け取る準備ができたときに、エンゲージメントに基づいてポップアップのみを表示します。時間ベースのディスプレイを使用している場合でも、少なくとも5秒待つ必要があります。ほとんどの場合はさらに長く待つ必要があります。
ポイント#02. ユーザーをセグメントする
あなたのサイトで、たった1つのトピックしか扱っていないのであれば、サイト全体で、全く同じポップアップを表示させるのはOKです。しかし、複数のトピックを扱っている場合は、そうしないことをお勧めします。なぜかというと、複数のトピックを扱っていると、トピック毎にターゲットの属性などが異なってくるからです。
僕も、このサイトでは複数のトピックを展開しています。一言でいうと、ウェブマーケティングの分野になりますが、リストマーケティングやブログ運営、アフィリエイトなどと細かいトピックに分かれます。リストマーケティングとブログ運営は、アフィリエイトをやっている人も、自社商品を販売する人も興味があるトピックなので、あまり気にしなくても良いかもしれませんが、アフィリエイトはどうでしょうか?自社商品を販売しようと思っている方は、あまり興味が無いだろうという事が想像できます。それなら、他のトピックでしているオファーを出しても、リストを獲得したり、商品を購入してくれる確率はがくっと減ります。
なので、オファーはセグメントするようにしてください。僕は、カテゴリー毎にオファーを変えています。まだ、商品を作成していないカテゴリーに関しては、ブログ更新通知を出しています。しかし、セグメントの仕方はこれだけではありません。
- 地域ベースのターゲティング:すべての対象国に異なるメッセージを作成します。
- エンゲージメントベースのターゲティング:エンゲージメントのレベルによってもターゲティングできます。初めてサイトを訪問した人、再訪問した人、閲覧ページ数、リストになってくれた人毎に別のオファーを出す事ができます。
- トラフィックベースのターゲティング:これは、サイトにアクセスしてきたトラフィック元毎に別のオファーを出すというものです。Facebookから来たターゲットとか、Google検索から来たターゲットみたいに流入元毎に異なるオファーをします。
- かご落ち:商品をかごに入れたけど、購入までは至らなかった人に対してオファーをします。
カスタム変数-さらにパーソナライズされたメッセージを作成します。このセグメンテーションを使用すると、サインアップ時に名前で人々に感謝することさえできます。
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ポイント#03. 1つの目的・目標のみに焦点を当てる
ポップアップを使用する目的・目標は必ず1つに絞りましょう。リストを獲得するのが目的なのであれば、リードマグネットをオファーするなどしてリスト獲得に専念します。もし、ECサイトを運営しているのであれば、商品を購入してもらえるように、クーポンを配布したり。たった1つの目的・目標を設定し、ポップアップを作成していってください。
ポイント#04. フォームの多さを適切にする
ポップアップでリストを獲得したいのであれば、ビジネスのスタイルや戦略に応じて、フォームの多さを調節しましょう。基本的には、お客さんの名前とEメールアドレスを取得しますが、Eメールアドレスだけ取得するパターンもあります。前者の場合は、フィールドの数が2つ後者よりも多くなりますが、質の高いリストを集めることができます。一方、Eメールアドレスだけを取得するとなると、面倒な作業が1つ減るので、若干質の悪いリストが集まります。もちろん、フィールドの数を増やせば増やすほど、登録が面倒になるので、集まるリストは少なくなりますが、質は上がりますので、そういったことも頭に入れながらポップアップを作成してみてください。
ポイント#05. 簡潔にする
漫然としたポイントではありますが、色を渋滞させたり、色々無駄なテキストを詰め込みすぎないようにしましょう。常にシンプルを心がけてみてください。複数の色を使うにしても、2,3色までに抑えた方が良いです。テキストは、ヘッドラインとサブヘッドライン、CTA、フォームくらいにして、内容もわかりやすく簡潔にします。
近年、人の集中力が8秒しか続かないとかって言われています。情報量が多すぎると、コンバージョンが少なくなってしまいます。この点、注意しておきましょう。
ポイント#06. A/Bテストする
ポップアップは、A/Bテストをして、常に改善を重ねていきましょう。ポイントは色々とありますが、最も重要なことを1つお伝えすると、変数を1つに絞るということです。例えば、タイトルとCTAの2つを一度に変更してテストしても、タイトルを変更したからコンバージョンに変化が生じたのか、CTAを変えたからオプトイン率に変化があったのかわからなくなってしまいます。なので、必ず1つに絞りましょう。
ポイント#07. 期間限定のものも作成してみる
ポップアップキャンペーンというと、エバーグリーンでずっと同じものを表示し続けると思っている方もいるかもしれませんが、期間限定でキャンペーンを作成してみても良いです。例えば、新商品を販売した時とか、新年キャンペーン、夏休みキャンペーン、サイバーマンデーキャンペーン、ブラックフライデーキャンペーン、クリスマスキャンペーンなど。特定の期間に実施すると、反応が高まります。
ポイント#08. カウントダウンタイマーを表示する
カウントダウンタイマーを表示して、キャンペーンを実施するのも効果的です。僕が使用しているOptinMonsterでは、プライシングページにランディングすると、アナウンスメントバーが表示されて、その中にはカウントダウンタイマーが埋め込まれています。期間限定なので、早めに契約しようと思ってしまうんですね。これは、希少性という心理トリガーを利用したテクニックです。
まとめ
ポップアップは、オウンドメディアサイトにとって絶対に実装しておきたい戦略の1つですが、適切な設定をしないとそれほど効果が期待できません。ユーザビリティを損なうことなく、かつ、利益を最大化できるように適切なタイミングで適切なオファーを出せるようにしていってください。
ただ、1回だけポップアップを作成して終わりではなく、継続的にA/Bテストを行なっていきましょう。そうすれば、コンバージョン率の改善に繋がっていきます。